格安SIMには5分や10分以内なら何回でもかけ放題とった電話代を節約するサービス以外に、ひと月あたり60分の間なら何分でもかけ放題となる通話定額オプションがあります。
しかも月額1,700円で利用できる大手キャリアの5分かけ放題サービスと比較すると、月々の利用料金は半額以下に抑えることができるんです。
頻繁には電話しないけど一回あたりの電話時間が長くなる
そんな方にピッタリなサービスといえるでしょう。
ただし安くなる分注意点(制約)もいくつかあります。そこで60分間の通話定額サービスを提供している格安SIMを、有効活用できるように安くなる仕組みや注意点も踏まえて詳しく紹介していきます。
通話定額(60分)が通話料金の節約におすすめな理由
総務省の調査結果によれば、携帯電話・PHSの1通信あたりの平均通信時間は2分35秒です。
発信 | 平成23年 | 平成24年 | 平成25年 | 平成26年 | 平成27年 |
---|---|---|---|---|---|
携帯電話・PHS | 2分21秒 | 2分21秒 | 2分19秒 | 2分25秒 | 2分35秒 |
出典:総務省ホームページ (通信量からみた我が国の音声通信利用状況)
過去5年間のデータをみても3分以内(2分19秒~2分35秒)に収まっています。平成27年度のデータでは1日あたりの通話回数は1回(0.9回)程度です。そこでひと月あたりの通話時間を算出してみると、
となります。若干(約10分)足りませんが、ほぼほぼ必要とされる月間の通話時間をカバーできる計算です。
ちなみに宅配の再配達などで使われている0570から始まるナビダイヤルなどの電話番号は、大手キャリアのかけ放題サービスでも対象外。つまり月額1,700円かけて5分かけ放題サービスを契約しているのに、実は知らぬ間に通常の電話代(20円/30秒)も追加で支払っているという、残念極まりないケースが意外にも多いんです。
それも考慮(10分程度はナビダイヤルなどを利用)すると、やはり月々に60分間の無料通話が利用できる通話定額は、非常に効率的な節約オプションといえるでしょう。
大手キャリアの5分かけ放題プランの月額料金
参考までに、まずは大手キャリアの通話料金をおさらいしておきましょう。
docomoの5分かけ放題プランと月額料金
- カケホーダイライトプラン(スマホ):月額1,700円
auの5分かけ放題プランと月額料金
- スーパーカケホ:月額1,700円
SoftBankの5分かけ放題プランと月額料金
- スマ放題ライト:月額1,700円
基本的にはどの会社も5分かけ放題プランは月額1,700円という月額料金を設定しています。
格安SIMの通話定額(60分)の月額料金(最安順)
格安SIM | オプション(プラン) | 無料通話時間 | 月額料金 |
---|---|---|---|
BIGLOBEモバイル | 通話パック60 | 60分 | |
ユーモバイル | でんわパック60 | 60分 | 800円 |
mineo | 通話定額60 | 60分 | 1,680円 |
UQモバイル | ぴったりプランM | 60分(120分) | セット料金 |
大手キャリアが5分かけ放題サービスを月額1,700円で提供する中、格安SIMの通話定額(60分)は最安料金でわずか月額650円からサービス提供しており、半額以下で利用できてしまうんです。
しかも大手キャリアが5分を超えて通話した場合に、30秒あたり20円の超過料金を請求するのに対して、格安SIMなら30秒あたり、たったの10円(半額)で済むオプションもあるんです。
通話定額(60分)で電話代を節約するデメリット(注意点)
一部の電話番号(緊急通報など)に掛けられない
大手キャリアのかけ放題サービスの対象外となる電話番号だけでも、
- 国際電話
- SMS
- 0570(ナビダイヤル)
- 0180(テレドーム/テレゴング)
- 104(番号案内)
- 188(消費者ホットライン)
- 189(児童相談所全国共通ダイヤル)
…などなど意外とたくさんあります。
海外での発着信、「WORLD CALL」、「SMS」、(0570)(0180)などの他社接続サービス、(188)(189)特番、(104)の 番号案内料、衛星電話/衛星船舶電話などへの発信は定額の対象外となります。
引用元:公式サイト(ドコモ)
【無料通話対象外となる主な発信先】
・海外での発信/着信、国際通話
・SMS(※2)
・番号案内サービス(104)の利用料(※3)
・行政1XYサービス(188/189)
・衛星電話
・衛星船舶電話
・ナビダイヤル(0570などで始まる番号)/テレドーム(0180で始まる番号)/67コール(0067で始まる番号)などの他社接続サービス通信料(※4)
・当社が別途指定する電話番号への通話(※5)引用元:公式サイト(au)
国際ローミング通話料(海外でかける)
国際電話通話料(国内から海外へかける)
ソフトバンク衛星電話サービス
0180(テレドーム)、0570(ナビダイヤル)などから始まる他社が料金設定している電話番号への通話料
番号案内(104)
国際転送電話サービス(通話開始後、接続先の海外番号をあらためて入力するものなど)
ソフトバンク以外へのSMS送信
その他、当社が指定し、別途随時公表する電話番号(他社着信転送サービスなど)は無料通話の対象外です。
引用元:公式サイト(ソフトバンク)
さらに格安SIMの場合には、
- 0120(一部フリーダイヤル)
- 110/119(緊急通報)
- 117(時報)※その他3桁番号
…などなど、かけ放題の対象外となるサービスが増えてしまいます。そもそも専用アプリから電話することすらできない番号も。
※ 国際通話料は「OCNでんわ」、「OCNでんわ 10分かけ放題オプション」国内通話料および月額料金の対象外です(所定の通話料がかかります)。
※ 緊急通話(110/119)、ナビダイヤル(0570)などの接続サービスはご利用いただけません。また次の番号への発信はできません。
- ・110番、119番、117番、177番などの3ケタの番号
- ・NTTコミュニケーションズのフリーダイヤル・ナビダイヤル・テレドーム・NTT東日本・NTT西日本の災害募金サービス等0XX0系の番号
- ・マイライン等の00XXから始まる電話番号
- ・060、020、もしくは、#で始まる電話番号
- ・NTTドコモ社の「他の電話機からの遠隔操作」の発信番号 090-310-14xx (*a) 090-310-1655 (*b)
- ・ソフトバンク社の「転送・留守電・着信お知らせ機能サービス」に関する発信番号 (*c)
(*a)https://www.nttdocomo.co.jp/service/transfer/usage/index.html
(*b)https://www.nttdocomo.co.jp/service/sms/usage/
(*c)http://www.softbank.jp/mobile/support/3g/voice_mail/
引用元:公式サイト(OCNモバイルONE)
ただしUQモバイルとmineoは他の格安SIMと異なり、大手キャリアと同等です。
ぴったりプランの無料通話においては、0180、0570から始まる他社が料金設定している電話番号への通話、SMS送信、当社が別途指定する電話番号への通話等については、無料通話の対象外となります。無料通話の詳細についてはこちら。無料通話分を超えた場合は20円/30秒の通話料がかかります。
引用元:公式サイト(UQモバイル)
プレフィックス番号を付加する専用アプリが必要
格安SIMの専用アプリを使って電話(発信)を行うと、090や080、070といった携帯電話番号の先頭に自動でプレフィックス番号が付加され、キャリアの回線から中継電話会社の回線を経由しての通話となります。※UQモバイルとmineoを除く
大手キャリアが接続料に割高なマージンを加えてユーザーに請求していた音声通話代金を、中継電話サービスを介すことで半額以下でサービス提供することが可能となっているんです。
音声通話専用の中継電話会社の設備はIP電話と比べて音声品質が高い特徴があります。
ただし中継電話会社の設備を利用するためには、プレフィックス番号を090や080、070といった携帯電話番号の先頭に付加する必要があり、格安SIM各社が提供している専用アプリを使って電話(発信)する必要が出てくるのです。
● 格安SIM各社の専用アプリ
- BIGLOBEモバイル・・・BIGLOBEでんわ
- ユーモバイル・・・U-CALL
- mineo・・・mineoでんわ※10分かけ放題や半額通話で利用
格安SIMによって専用アプリの使い勝手は異なりますが、基本的にアドレス帳と自動で同期できてプレフィックス番号も自動で付加してくれるので、大きな問題はないでしょう。
ただ『一部の電話番号(緊急通報など)に掛けられない』で説明の通り、ナビダイヤルや緊急通報、一部フリーダイヤルへは専用アプリが利用できないため、通話手段として通常の電話アプリと併用しなければならない点にわずらわしさを感じます。
専用アプリから電話したら対象外だったから通常の電話で…
間違えて通常の電話を使ってしまいかけ放題の対象外に…
などなど、無駄なお金や手間をかけないようアプリの使い分けに注意しましょう。
専用回線を利用するため音声品質が落ちる
IP電話ほど音声品質が悪くなることはありませんが、それでも中継電話設備を介している分、環境や回線の混雑度合いによっては音声品質が悪くなる場合があります。※UQモバイルとmineoを除く
仕事や電波状況の悪い環境で利用する場合には十分気を付けたいところですね。
BIGLOBEモバイル(通話パック60/月額600円)
オプション | 無料通話時間 | 月額料金 | 超過料金/30秒 |
---|---|---|---|
通話パック60 | 60分 | 600円 | 10円 |
月60分以内なら何度でも何分でも電話が掛けられる通話定額オプションが月額料金650円600円(値下げ)という最安値で利用できる格安SIM。動画サービスのカウントフリーやシェアSIMが月200円から追加できるなど、通話料金の節約サービス以外にも強みが多い。
公式サイトはこちら⇒BIGLOBEモバイル
ユーモバイル(でんわパック60/月額800円)
オプション | 無料通話時間 | 月額料金 | 超過料金/30秒 |
---|---|---|---|
でんわパック60 | 60分 | 800円 | 10円 |
ドコモ回線のU-mobile通話プラスで月60分以内なら何度でも何分でも電話が掛けられる通話定額オプションが月額料金800円で利用可能。データ容量が定額制や使い放題、段階制など豊富なプランと組み合わせられる点が強み。
公式サイトはこちら⇒U-mobile
mineo(通話定額60/月額1,680円)
オプション | 無料通話時間 | 月額料金 | 超過料金/30秒 |
---|---|---|---|
通話定額60 | 60分 | 1,680円 | 20円 |
専用アプリでプレフィックス番号を自動的に付加するサービスが多い中、通常の通話アプリで電話が可能。プレフィックス方式に比べて月額料金が高くなる分、高い音声品質を維持して通話料金が安くできる特徴がある。
公式サイトはこちら⇒mineo
UQモバイル(ぴったりプランM/セット料金)
プラン | 無料通話時間 | 月額料金 | 超過料金/30秒 |
---|---|---|---|
ぴったりプランM | 60分(120分) | 0円(セット料金) | 20円 |
ぴったりプランSなら月60分、ぴったりプランMなら月120分の無料通話時間が最初の2年間だけ利用可能。2年後も月60分使うならプランMを選択する必要がある。UQモバイルの2年縛りがない『データ高速+音声通話プラン』や『データ無制限+音声通話プラン』では利用できないなど、オプションとしての自由度にやや難あり。
公式サイトはこちら⇒UQモバイル