携帯電話に限らずインターネットの固定回線や無線で接続できるPoketWi-Fiなど通信回線の契約は2年縛りや3年縛りを設けています。
数年に一度訪れる契約更新月でしか違約金なしで解約できないという、ユーザーの立場からすると本当にイマイチなサービス。
そんな中で格安SIMは2年縛りがないどころか、最低利用期間すら設けていない会社も存在しています。
格安SIMを試したいけどサービスに納得できなかった場合など、解約違約金で無駄な出費を掛けたくないという方には、まさにうってつけの通信サービスといえるでしょう。ただし大手キャリアに近いサービス形態で2年縛りがある格安SIMも一部あるので注意が必要です。
そこで自社サービスに自信をもっている解約ルールが優しいおすすめの格安SIMを紹介していきます。
大手キャリアの2年縛りと解約違約金
格安SIMの解約時の違約金事情をみる前に、まずは大手キャリアの契約(2年縛り)についておさらいしておきましょう。
大手キャリア(ドコモ/au/ソフトバンク)3社の場合、2016年まではいわゆる『2年縛り』と呼ばれている2年に一度だけ訪れる契約更新月の1カ月間しか違約金なしで解約することはできませんでした。
この『2年縛り』を問題視した総務省の働きかけに応じたのは、実質ドコモのフリープランだけです。
2年縛りがあるプランは1カ月だった更新月を2カ月間に変更して、2年縛りがないプランも月額基本料金は変えずに最低利用期間を2年間設けているだけです。auとソフトバンクも2年縛りがないプランを出していますが、月額基本料金が300円も上乗せされるため、実質、解約違約金を払うよりも割高になるプランといえるでしょう。
ドコモのずっとドコモ割コース
- 2年定期契約(更新月の2カ月間は違約金なし)
- 違約金:9,500円
ドコモのフリーコース
- 違約金なし(最低利用期間の2年以内の解約は9,500円)
- 『ずっとドコモ割』と『更新ありがとうポイント』適用対象外
auの誰でも割
- 2年定期契約(更新月の2カ月間は違約金なし)
- 違約金:9,500円
auの誰でも割ライト
- 違約金なし(最低利用期間の2年以内の解約は9,500円)
- 『誰でも割』の月額基本料金+300円
ソフトバンク2年契約
- 2年定期契約(更新月の2カ月間は違約金なし)
- 違約金:9,500円
ソフトバンクのフリープラン
- 違約金なし(最低利用期間の2年以内の解約は9,500円)
- 『2年契約』の月額基本料金+300円
格安SIM(サブキャリア)の2年縛りと解約違約金
大手キャリアに近いサービスを提供している『サブブランド』や『キャリアの低価格ブランド』と呼ばれる格安SIMがあります。
たとえばSoftBankグループのワイモバイルや、KDDI(au)グループのUQモバイルなんかが該当します。NTTグループ(docomo)にもOCNモバイルONEがありますが、一般的な格安SIM(MVNO)と似たサービスを提供しています。
サブブランドと呼ばれる格安SIMは大手キャリア並みの通信速度や直営店舗での対面サービス、キャリアメールが利用できるなどのメリットがある反面、やや割高な料金プランや2年縛りといったデメリットがあるので注意が必要です。
ただしサブブランドの中でも特徴があって、MNOとして独自回線を持つワイモバイルは大手キャリア寄りのサービスで定期契約(2~3年縛り)しかありませんが、MVNOであるUQモバイルは格安SIM寄りのサービスで定期契約(2年縛り)と縛りのないプラン(最低利用期間あり)を選ぶことができます。
一般的な格安SIMの最低利用期間と解約違約金
一般的に格安SIMの場合は2年縛りがないプランの方がむしろ当たり前で、データ通信専用プランでは基本的に最低利用期間すら設けていない会社が多いです。
しかも音声通話機能付きプランですら最低利用期間なしで解約できてしまう格安SIMが存在しています。
割引などの良い話をエサに、とにかく契約させてしまい、あとは高い解約違約金で囲い込むという悪質なサービスを受ける時代はもう終わりました。
そこでおすすめなのが、自社のサービスに自信を持っていて悪質な囲い込みをせずに気軽に試すことが可能な格安SIMです。
おすすめ度No.1:AEON MOBILE(イオンモバイル)
- データプラン(データ通信専用):解約違約金なし
- 音声プラン(音声通話機能付き):解約違約金なし
データ通信専用プランなら最低利用期間なしで契約できる格安SIMはたくさんありますが、090音声通話機能付きプランが最低利用期間なしで利用できる格安SIMは、非常に貴重な存在といえます。
ただし音声プランの解約では違約金は発生しませんが、他社へMNP転出する場合には違約金(転出手数料)が発生します。
実はこれには理由があって、最低利用期間内のMNP転出手数料を設けないと、いわゆる『MNP弾』といってキャッシュバック目的のMNPするための道具に使われてしまうからです。
とはいえMNP転出時に設けられている最低利用期間は約半年間と短く、MNP転出手数料も8,000円なので他社の違約金と比較しても割安です。
契約後180日以内にMNPにて転出の場合は、SIMカード1枚につき8,000円(税抜)
契約後181日以降にMNPにて転出の場合は、3,000円(税抜)となります。引用元:公式サイト(イオンモバイル)
また格安SIM事業の技術的サポートを行っているMVNEがIIJ系なので、小売業がメイン事業であるイオンモバイルですが安心してスマホというライフラインを任せることができるでしょう。
むしろイオンモール内に直営ショップがあるので、対面サービスを受けたい方にはうってつけの格安SIMなのです。
公式サイトはこちら⇒イオンモバイル
おすすめ度No.2:mineo(マイネオ)
- シングルタイプ(データ通信専用):解約違約金なし
- デュアルタイプ(音声通話機能付き):解約違約金なし
イオンモバイルと同様に090音声通話機能付きプランが最低利用期間なしで利用できる数少ない貴重な格安SIMです。
さらにmineo(マイネオ)は解約規約以外のあらゆるサービス面においても優れた格安SIMなので、とりあえず格安SIMを試してみたいという方にはベストな選択といえるでしょう。
ただし一つだけ注意点が必要です。
それはイオンモバイルと同じようにMNPを利用して090の携帯電話番号を他社でも引き継ぎたい(そのまま乗り換える)ケースです。
ご利用開始月の翌月から12カ月以内に携帯電話番号ポータビリティー(MNP)転出される場合は、MNP転出手数料12,420円(税込)を申し受けております。
また、13カ月目以降は、MNP転出手数料が2,160円(税込)となります。引用元:公式サイト(mineo)
12カ月以内でのMNP転出手数料(12,420円)は、他社と比べてもかなり割高な料金となっています。
ただし12カ月間の最低利用期間を過ぎれば、他社と比較しても割安なMNP転出手数料(2,000円)となるので、悪質な囲い込みというわけではありません。おそらくMNPの乗り換えキャンペーンを利用してスマホ端末の転売やキャッシュバックを狙うMNP弾対策として必要な措置なのでしょう。
違約金なしで1年以内に他社に乗り換えたい場合は、MNP転出ではなく解約して新しい090や080、070といった携帯電話番号を取得することも検討しましょう。
公式サイトはこちら⇒mineo
まとめ
大手キャリアにも2年縛りがないプランはありますが、基本的にはあまりお得感がない(むしろ損してしまう)プランとなっています。
格安SIMならデータ通信専用プランであれば最低利用期間も解約違約金もなしで、音声通話機能付きプランでも違約金が掛からないサービスを提供している会社があります。
ただし一部サブブランドと呼ばれる格安SIMには定期契約(2年縛り)が存在するプランもあるので注意しましょう。
また今回紹介した格安SIMのように最低利用期間内はMNP弾対策として高額なMNP転出手数料が設けられているので、携帯電話番号そのままで他社に乗り換えたい場合には注意が必要です。