もともと法人向けに行っていたeSIMの開発を、個人向けにも適用してeSIMプラン(IIJmio)のサービス提供を開始しました。

 

IIJmioのeSIMプランは従来のようにSIMカードを端末にセッティングする手間がなくなるだけでなく、eSIMを併用することで複数回線の利用が可能になる機種もあります。※iPhone XS/XRなど

 

現状、eSIMを発行できる格安SIMはフルMVNOのIIJmioだけなので、大きなアドバンテージといえるでしょう。

 

ただしSIMカードでの通常の契約と同様にSIMロック解除が必要だったり、通常の契約とは異なるeSIM対応端末や契約プランの縛りに注意が必要です。

 

そこで、IIJmioでeSIMプランを契約する際の注意点やメリット/デメリットを詳しく解説していくので、是非とも参考にしてみてください。

IIJmio(みおふぉん)

IIJmioのeSIMプランの特徴とは?

契約プラン eSIMプラン(データ通信専用)
月額料金 1,520円
データ容量 6GB/月
利用回線 ドコモ
テザリング
クーポンスイッチ
データ容量の追加
データオプション 利用可(20GB/30GB)

eSIM(Embedded Subscriber Identity Module)とは、端末に通信機能を内蔵した組み込みSIMのことを指します。通信回線を利用する際、物理SIMカードを必要とせずに、通信経由で契約している通信事業者の情報へ書き換えることができる特徴があります。

 

eSIMプランの場合は物理SIMの提供はなく、データ通信プロファイルの提供となり、別プランとのデータシェアはできません。

また、2019年7月18日から開始されるeSIMプランはβ版という扱いになっており、正式版はユーザーの体験談をフィードバックさせてから提供開始となります。

eSIMプランと通常プラン(物理SIM)は別プランのため、プランをまたいでの変更はできません。

 

公式サイトはこちら⇒IIJmio

IIJmio(eSIMプラン)を契約するメリット

物理SIMカードを端末に装着する手間が省ける

通常、スマホ端末に物理SIMカードをセッティングするためには、端末側面の穴にピンを挿し込んでSIMカードスロットのカバーを外して装着します。

ZenFone4カスタマイズのSIMスロット
ZenFone4カスタマイズのSIMカードスロット※奥側がスロット1(SIMカード1)で、手前側がスロット2(SIMカード2)

 

SIMカードをセットした後はAPN設定を行うことで、契約した回線でデータ通信が利用できるようになります。

IIJmioのAPN設定手順
※IIJmioのSIMカードをスロット1(SIM1)にセットした場合のAPN設定手順

 

このように物理SIMカードをセッティングする場合、手元に届いたSIMカードを装着⇒スロット番号対応するAPN設定が必要だったり、nanoSIMとmicroSDカードとの排他仕様だと、どちらか一方しか利用できない点に注意が必要だったりと、詳細の理解や時間、手間が掛かる課題が存在しました。

 

ところが、IIJmioのeSIMを使う場合には、契約した後にSIMカードが家に届くまで待つ時間や手間を省くことができ、eSIMに対応したデータ通信プロファイルを設定するだけでIIJmioのデータ通信を利用することができるようになるのです。

iPhoneXSやXRでデュアルSIM(複数回線)が利用可能

iPhone XSやXRのようにeSIMを内蔵した端末であれば、物理SIMのスロットが1つしかなくても、eSIMを利用して複数回線を利用することが可能となります。

たとえば、格安SIM(MVNO)では利用が困難な、通話し放題やキャリアメール(MMS)は大手キャリアのサービスを利用しつつ、データ通信容量は割安なIIJmioのeSIMを利用することで、月額料金を大幅に節約することも可能となります。

また、まだ記憶に新しいソフトバンクの通信障害のようなトラブル回避策として、物理SIMには大手キャリアのau回線を契約しておいて、eSIMにはIIJmioの(ドコモ回線プラン)を契約しておくことで複数回線の利用にも重宝することでしょう。

 

公式サイトはこちら⇒IIJmio

IIJmio(eSIMプラン)を契約するデメリット

eSIMに対応した国内端末がまだまだ少ない

大手キャリアは3社でシェアの大半を占めていることもあり、簡単に他社回線が利用できるeSIMには消極的です。そもそもキャリア版スマホはデュアルSIM(物理SIM)さえ許さない傾向があるくらいです。

とはいえ、多くの格安SIMはMVNOという通信回線をキャリアから借りている立ち位置の関係もあり、独自のSIMカード(プロファイル)を発行することができません。

そんな中で、唯一のフルMVNOでありMVNEサービスも展開する通信技術力の高いIIJmioだけが、現状はeSIMプラン(独自プロファイルの発行)のサービス提供が可能となった背景があります。

そのため、まだまだ国内に流通するスマホ端末はeSIMに対応しておらず、現状はスマホだとiPhone XSやXR、PCだとSurface Pro LTE Advancedくらいしか利用できないのです。

また、通常の物理SIMプランと同様に、キャリア端末にeSIMを設定する場合には、事前にSIMロックを解除しておく必要があります。

物理SIMと比べて契約プラン/サービスが少ない

IIJmioの物理SIMプランには090や080,070といった電話番号から通話できる音声通話機能付きSIM(みおふぉん)や、データ通信プランの中でもデータ通信専用/SMS機能付きが選べるなど、利用シーンに応じた複数の契約プランを用意しています。

 

また月間データ容量に関しても、物理SIMプランの場合、3~12GBまで3種類のバンドルクーポンを選ぶことができ、追加SIMでデータ容量シェアができるなど、使い勝手に優れたサービスが豊富にあります。

 

IIJmioのeSIMプランは、まだ2019年7月18日からサービス提供開始するβ版という影響もあるとは思いますが、利用上のサービス制約が多いのも事実です。

eSIMで利用できないIIJmioの物理SIM提供サービス
音声通話機能付きSIM
SMS機能付きSIM
3GBプラン
12GBプラン
追加SIM

 

公式サイトはこちら⇒IIJmio

IIJmio(eSIMプラン)を使う注意点まとめ

eSIMを使えば、SIMカードを端末に装着・設定する時間や煩雑なオペレーション・手間が省けるうえに、物理SIMだけだとデュアルSIMに対応していない機種でも、eSIMに対応した機種なら複数回線が利用できる大きなメリットがあります。

一方で、まだまだ国内市場(個人向け)では新しい技術ということもあり、そもそもeSIMの対応端末が少なく、IIJmioのeSIMプランもβ版ということもあってか、サービス制約が多いのも事実です。

とはいえ、iPhone XSやXRといった最新端末でデュアルSIM(複数回線)を国内で実現するには、唯一の方法がIIJmioのeSIMといえるでしょう。

いきなり格安SIMに乗り換えることに抵抗があるユーザーにとっても、大手キャリアを契約したままeSIMでIIJmioのデータ通信を試す絶好の機会・サービスでもあります。

今後のeSIM対応端末の増加に期待すると共に、是非ともeSIMに興味のある方は活用してみてください。

 

公式サイトはこちら⇒IIJmio