固定回線(ひかり回線やADSL)は通信速度は速いけど、
外出時にデータ通信できない
工事の手間や費用が掛かる
など、意外とデメリットが多いのも事実です。特にスマホ利用がメインだったり、引っ越し予定があったりすると移動先でも利用できる格安SIMやWiMAXの方が無駄な手間や余計な費用が掛からずに継続利用できます。
ただし気になるのが通信速度と月額料金です。
どちらも無線の通信回線ですが、格安SIMとWiMAXにはサービスの特徴(メリットとデメリット)が存在します。
そこで、格安SIMとWiMAXの特徴を比較していく中で、利用シーンに応じたオススメのサービスプランが選べるように詳しく解説していきます。また両サービスを組み合わせて活用する方法についても紹介しています。
格安SIMとWiMAXの料金プランの特徴
通信サービス | 格安SIM | WiMAX | |
---|---|---|---|
月額料金 | 小容量 | 〇 | △ |
大容量 | △ | 〇 | |
通信速度 | △ | 〇 | |
通信エリア | 〇 | △ |
格安SIMの特徴(メリットとデメリット)
小容量プランの月額料金が安い
格安SIM(MVNO)は主に大手キャリア3社(ドコモ/au/ソフトバンク)から通信回線を借り、通信設備費用が掛からない分をユーザーに還元することで低価格な通信サービスを提供しています。
この月額料金の安さ(1GBあたり数百円~)こそが格安SIMの最大のメリットと言えるでしょう。
なお090や080、070といった電話番号が使えるプランの場合は、音声通話付帯費用として大体どのMVNOでも700円程度掛かります。
それでも音声通話付きプランが千円ちょっとで契約できてしまうんですから驚きです。
直近3日間制限(速度規制)がない
格安SIMによっては直近3日間制限の通信速度規制が入るプランも中にはあるものの、大抵の格安SIM(プラン)で直近3日間制限は掛かりません。
通信エリアが広い(障害物の影響を受けにくい)
無線通信の規格によっては建物の中など、障害物の影響で電波が繋がりにくくなってしまいます。
ところが格安SIMの場合は大手キャリアと同じ3G回線やLTE回線を利用しているため、障害物の影響を受けにくいメリットがあります。
混雑時間帯での通信速度が遅い
昼間や夕方など、多くのユーザーがスマホを利用する時間帯は、どうしても通信帯域が混雑して電波が繋がりにくくなってしまいます。
格安SIMを使うユーザーが増えれば増えるほど、設備増強以上に混雑時間帯での負荷が大きくなるため、年々繋がりにくさが増しているのが実情です。
大容量プランだと割高
小容量プランの場合は大手キャリアから格安SIMに乗り換えることで劇的にスマホ代が安くなります。
ただし大容量プランが必要な場合は大手キャリアと価格差があまり出ないうえに、そもそも通信速度が遅いと大容量を必要とする高画質な動画やリアルタイムオンラインゲームなどの利用が難しいです。
WiMAXの特徴(メリットとデメリット)
通信速度が速い
WiMAXの場合はサービスを提供しているプロバイダの違い(特典の違い)こそありますが、同じ通信回線(WiMAX2+)を利用しているため基本的にプロバイダ間でほとんど速度差はなく、高速なデータ通信が可能となります。
ちなみにWiMAXには主に2種類のモードがあります。
- ハイスピードモード
- ハイスピードプラスエリアモード
ハイスピードモードがWiMAX2+のデータ通信で、ハイスピードプラスエリアモードはau 4G LTE(au回線)を利用しています。
最近のWiMAXルーターには複数の周波数帯を束ねて安定した高速データ通信を実現するキャリアアグリゲーション機能が備わっており、WiMAX2+とau 4G LTEの電波を組み合わせた高速データ通信も可能となっています。
月間データ容量制限なしプランが割安
WiMAX2+のデータ通信だけなら月間データ容量制限なしで利用可能です。
わざわざau 4G LTEを併用しなくても、WiMAX2+だけでも高速なデータ通信が実現できるため、WiMAXのハイスピードモードは大容量を消費するユーザーにとって、非常に重宝されるサービスとなっています。
なおハイスピードプラスエリアモード(au 4G LTE)には月間7GBのデータ容量制限があります。
直近3日間で10GB使用時の速度規制
月間データ容量制限なしで利用可能なハイスピードモード(WiMAX2+)ですが、実は直近の3日間でデータ使用量が10GBを超えると1Mbpsの速度制限が掛けられてしまいます。
速度制限がかかるご利用データ量 直近3日間で10GB以上(「WiMAX 2+」と「au 4G LTE」のデータ量の合計) 制限時間 3日間で10GBを超えた日の翌日のネットワーク混雑時間帯※1
(18時頃~翌2時頃※2)制限後の最大通信速度 概ね1Mbps※3(YouTube動画の標準画質レベルが視聴可能な速度) 引用元:公式サイト(UQコミュニケーションズ)
とはいえ3日間で10GBという制限は、そこまで厳しい速度規制という印象はありません。
一部のデータ通信を使いすぎるユーザーを規制することで、多数のユーザーに高速で快適な通信環境を提供していると考えれば、むしろ必要な速度制限と捉えることもできます。
障害物の影響を電波が受けやすい
ハイスピードプラスエリアモード時はau 4G LTE(低周波数帯)が利用できるため、大手キャリアauと遜色ない通信エリア(プラチナバンド)で電波が繋がりやすいといえます。
ハイスピードモード時はWiMAX2+(高周波数帯)なので性質上、直進性が強く通信速度が速い反面、障害物に対して電波が回り込みにくいため、4G LTEと比べると繋がりにくくなります。
格安SIMとWiMAXの月額料金を比較
データ容量7GBまでなら格安SIMの方が安い
月間データ容量 | DMMモバイル | UQ WiMAX |
---|---|---|
7GB | 1,860円/月 | 3,696円/月 |
最安値水準の格安SIMであるDMMモバイルとUQコミュニケーションズ(公式)が提供するUQ WiMAXで同じデータ容量(7GBプラン)を比較してみると、圧倒的にDMMモバイルの方が月額料金が安く抑えられることが表の結果から分かります。
大容量はWiMAXの制限なし(ギガ放題)がお得
月間データ容量 | DMMモバイル | UQ WiMAX |
---|---|---|
15GB | 3,280円/月 | 3,696円/月 |
20GB | 3,980円/月 | |
制限なし | – |
同じくDMMモバイルとUQ WiMAXで大容量プランを比較してみると、月間15GB以上のデータ通信を必要とするユーザーにはUQ WiMAXの方が月額料金が安く抑えられることが表の結果から分かります。
なおWiMAXはプロバイダごとに常に特典(キャッシュバックや月額割引)が受けられるため、実質負担金額(実質負担月額)はもっと安く抑えることが可能です。
通信速度の速さを重視するならWiMAX
大手キャリアから通信回線の一部を借りてサービス展開する格安SIMと、WiMAX2+回線と同じ通信回線を利用するWiMAXで通信速度を比較すると、やはりWiMAXの方が圧倒的に有利(通信速度が速い)です。※格安SIM < WiMAX(ハイスピードモード < ハイスピードエリアモード)
とはいえ格安SIMとWiMAXを選ぶうえで重要なポイントは、自分が普段使っているサービスが「どの程度の通信速度を必要としているか?」です。
負荷の少ないサービスの利用(LINE、メール、Googleマップなど)や簡単なブラウジング程度の用途がメインであれば、格安SIMのデータ通信速度でも特に不自由することはないでしょう。格安SIMの小容量プランを選べば圧倒的に価格が安くなるので、ライトユーザーには一押しです。
負荷の大きいサービスの利用(動画やオンラインゲームなど)が主な用途ならば、月間データ容量制限なしプランの方が安くなるのでWiMAXをオススメします。そもそも格安SIMでは通信速度が遅くてサービス自体が利用できないorストレスを感じる可能性が高くなります。
格安SIMとWiMAXを組み合わせる利点
格安SIMとWiMAXのデメリットが補完できる
電話機能(音声通話)は格安SIMを利用して、データ通信をWiMAX(制限なしプラン)でまかなうことにより、お互いのデメリットをメリットで補完し合うことも可能です。
自宅にネット回線引いてないからwimax契約してきたんだけど便利すぎる。思ってた以上に速度も快適。
携帯もそのうち格安SIM買ってiPhoneに打っ込む予定。固定費かなり安くなるし良き?♀️— 兎@プログラミング独学中 (@usaco0) 2019年4月8日
また格安SIMではドコモかソフトバンク回線を契約し、WiMAX(au回線)と回線元を分けておくことで、万が一の通信トラブル時にリスク分散することもできるでしょう。
SoftBankの通信障害の話。モバイルルーターを持ち歩くのが面倒で、WiMAX&格安SIM(使った分だけ払う)からウルトラギガモンスター+へ変更したばかり。
でも、回線を一つにすると、こんなトラブルに遭ってしまう。
WiMAXは家専用にして、格安SIMをデータ量多めにした方が良かったかな……。— rakuda95 (@rakuda951) 2018年12月8日
au系の格安SIMとWimaxの合わせ技のワイ今日の勝ち組#ソフトバンク通信障害
— rimanoe@節電中 (@rimanoe_hi) 2018年12月6日
格安SIMとWiMAXの比較まとめ
格安SIMは小容量プランがとっても安い反面、特に混雑時間帯に通信速度が遅い傾向にあります。
WiMAXは通信速度が速いです。小容量プランは割高な反面、月間データ容量制限なしプランがあるため、大容量プランは割安です。
つまり、月々のデータ使用量が少ない場合は格安SIMの方がおすすめで、データ使用量が多い場合はWiMAXの月間データ容量制限なしプランの方がおすすめとなります。ご自身の利用シーンに合わせて最適なネット回線を選択しましょう。
なおWiMAXはサービス提供しているプロバイダによって特典(キャッシュバック金額や月額割引額)が異なるため、定期契約の期間(3年間)の実質負担金額(月額)を算出して比較しないとお得度が比較できず、非常に手間が掛かります。
下記の記事では、データ容量制限なしプランの実質負担金額でWiMAXプロバイダをランキング形式で紹介しているので、WiMAXをお得に契約したい方は是非とも参考にすると良いでしょう。